植毛・AGA

植毛後にくせ毛・うねりが出た話|植毛のデメリット

自毛植毛のデメリットというと、費用の高さやダウンタイム、ショックロスなどを思い浮かべる方が多いと思います。

私も植毛を受ける前はそのあたりを気にしていました。

ところが、実際に植毛してから意外と気になるようになったことがあります。

髪のうねりとパサつきです。

私はもともと直毛でした。それが植毛後、特に頭頂部から前髪にかけて以前よりうねるようになり、中には縮れたような毛も混ざるようになりました。

もちろん、植毛を受けた人すべてに起こるものではありません。しかし調べてみると、植毛後に移植毛がカールしたり縮れたりする現象自体は医学文献でも報告されています。

今回は、植毛後の「くせ毛・うねり」について、自分の経験と現在分かっている情報を分けながら書いてみます。

私はもともと直毛でした

植毛前の私の髪は、基本的には直毛でした。

髪質自体は比較的柔らかく、強いくせ毛に悩んだ経験もありません。

ところが植毛後、発毛した髪が伸びてくるにつれて、以前とは少し違う髪質が気になるようになりました。

特に分かりやすいのが前髪です。

現在は頭頂部から前髪全体にかけてうねりがあり、髪を伸ばすとその違いがより分かります。植毛前はここまでうねる髪ではなかったため、自分としてはかなり変化を感じました。

さらに本数は多くありませんが、一本だけ取り出して見ると、縮れ毛のようになっている毛もあります。

植毛によって生え際そのものは改善した一方で、髪質については「こんな変化もあるのか」と感じた部分でした。

植毛後にくせ毛になることは実際にある?

植毛後に、それまでとは異なる縮れやカールが生じる現象は医学的にも報告されており、英語では「posttransplant kinky hair」や「posttransplant curly hair」などと呼ばれています。

2024年に医学誌『Journal of Craniofacial Surgery』に掲載された研究では、女性の生え際矯正を目的として植毛を受けた980人について調査し、38人(3.9%)に術後のカールした毛髪が確認されました。

多くは術後4か月頃からカールした状態で発毛し、一部では髪が伸びた6~8か月頃から確認されたと報告されています。

ただし、この研究は女性の生え際植毛を対象としたものです。そのため「植毛を受けた人の3.9%がくせ毛になる」と一般化することはできません。

それでも、植毛後に移植毛の形状が変化する現象そのものは実際に報告されていることが分かります。

なぜ植毛後に髪がうねったり縮れたりするのか

ここは少し注意が必要です。

私自身、以前は「植毛するときに毛根を強く植え込むから、生え癖がつくのかな」と考えていました。

しかし、医学文献を調べると、植毛後に生じる強いカールや縮れの原因は、まだ十分に解明されていません。

過去の医学文献でも、植毛後に毛髪が変形する「hair kinking」は術後に起こり得る現象として報告されています。

一方で、植毛では移植する毛包の角度や方向が非常に重要です。移植時の角度や方向が適切でない場合、周囲の毛と異なる方向に生えてしまい、見た目が不自然になることがあります。

つまり、「髪そのものが縮れること」と「生えてくる方向が不自然になること」は分けて考えた方がよさそうです。

私の髪に起きた変化についても、植え込みの角度だけが原因なのか、毛包そのものに何らかの変化が起きたのかは分かりません。

ここは体験談だけで原因を断定しないようにしたいと思います。

移植した毛は、元の髪質のまま生えるとは限らない?

一般的に自毛植毛では、後頭部などから採取した自分自身の毛包を薄毛部分へ移植します。

そのため、「後頭部が直毛なら、移植した毛もずっと同じ直毛のまま」と考えたくなります。

実際、前頭部へ後頭部の毛を移植した研究では、移植後約1年の時点で、毛の成長速度や太さに後頭部との差がみられなかったという結果があります。

一方、その研究では、移植先の環境によって毛髪の成長特性の一部が影響を受ける可能性も示されています。

植毛した毛がどのような髪質になるのかについては、単純に「元の髪質が100%そのまま再現される」とまでは言い切れないようです。

私の場合は「うねり」がかなり気になる

私の場合、植毛後の変化として一番気になるのは、縮れ毛そのものよりも全体的なうねりです。

縮れた毛は探せば何本か見つかる程度ですが、前髪全体の扱いづらさは以前より感じています。

特に髪が乾燥していると、うねりによってパサついて見えやすくなります。

ここで一つ分けておきたいのは、「パサつき」と「植毛後のカール」は同じ現象とは限らないということです。

今回確認した医学文献では、植毛後のカールや縮れについては報告されていますが、「植毛そのものによって髪が乾燥してパサつく」というところまで明確に示したデータは確認できませんでした。

私の場合は、うねった毛がまとまりにくいため、結果としてパサついて見えている可能性もあります。

そのため、「植毛すると髪がパサつく」と一般化するのではなく、あくまで私自身が感じている変化として書いておきます。

「捻転毛」と呼んでいいのかは少し慎重に

縮れた毛について調べていると、「捻転毛」という言葉も出てきます。

捻転毛(pili torti)は、毛幹が長軸方向にねじれる毛髪の異常を指す医学用語です。

ただし、見た目が縮れているからといって、それだけで捻転毛と判断することはできません。

私の髪にも、見た目としてねじれたり縮れたりしている毛はありますが、医療機関で毛髪を顕微鏡などで確認して「捻転毛」と診断されたわけではありません。

それでも植毛したことを後悔しているわけではない

ここまで読むと、植毛にかなり否定的な記事に見えるかもしれません。

ただ、私は髪質が変わったことを理由に「植毛しなければよかった」と思っているわけではありません。

植毛によって生え際やM字が改善したメリットの方が、私にとっては大きかったからです。

一方で、植毛を受ける前に「発毛した髪が必ず以前とまったく同じ質感になるとは限らない」ということも知っておきたかったと思います。

植毛クリニックの症例写真では、どうしても生え際の位置や密度に目が行きます。実際に生活してみると、髪をセットするときの扱いやすさも意外と重要です。

私のように、もともと直毛だった人ほど、術後にうねりが出ると違いを感じやすいかもしれません。

植毛後に強いうねりが出たらどうすればいい?

まず、植毛後数か月の時点で髪質が違うと感じても、その時点だけで最終的な状態を判断するのは早いと思います。

2024年の研究でも、植毛後のカールは発毛が始まる4か月頃から確認された例が多く、一部では6~8か月頃から目立つようになっています。

植毛した毛は時間をかけて成長していくため、まずは経過を見ることになります。

一方、完成時期を過ぎても極端な縮れや不自然な方向への発毛が目立つ場合や、見た目・スタイリングに大きな支障がある場合は、手術を受けたクリニックや植毛を専門とする医師に相談した方が安心です。

特に、生えている方向そのものがおかしい場合は、単純な髪質の変化とは別に、移植時の角度や方向が関係している可能性もあります。

植毛のデメリットは「生える・生えない」だけではなかった

植毛を受ける前の私は、結果について「ちゃんと毛が生えるのか」「密度は十分なのか」というところを主に気にしていました。

実際に経験してみると、それだけではありませんでした。

毛が生えても、その毛が扱いやすいとは限りません。

私の場合は、もともと直毛だった髪が植毛後には前髪を中心にうねるようになり、少数ながら縮れた毛も見られるようになりました。

もちろん、これはあくまで私の経験です。同じような変化がすべての人に起こるわけではありません。

ただ、植毛後のカールや縮れ自体は医学文献にも報告されているため、これから植毛を検討する方には「こういうケースもある」と知っておいてもらえればと思います。

植毛は生え際を改善するための非常に有力な選択肢ですが、良い面だけではなく、実際に受けた後に気づいた細かな部分まで含めて判断材料にすることが大切です。

私自身の植毛経過については、このブログやnoteでも引き続き紹介していきます。

参考文献

・Park JH, Kim N, Manonukul K. Post-Hair Transplantation Complication: Kinky or Severely Curly Hair. Journal of Craniofacial Surgery. 2024;35(2):e146-e150.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38227626/

・Hwang S, et al. Does the recipient site influence the hair growth characteristics in hair transplantation? Dermatologic Surgery. 2002;28(9):795-798.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12269871/

・Complications in Hair Transplantation. Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6371733/

・Unger WP. Recipient area hair direction and angle in hair transplanting. Dermatologic Surgery. 2004;30(6):829-836.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15171759/

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