植毛・AGA

フィナステリドからデュタステリドに変えた理由|AGA治療薬の違いも調べてみた

AGA治療を始めてから、私はしばらくフィナステリドを服用していました。

当時は「AGA治療といえばフィナステリド」というくらいの認識で、まずは薄毛の進行を抑えられればいいと考えていました。

その後、AGA治療について自分でも調べるようになり、気になったのがデュタステリドです。

フィナステリドと似たAGA治療薬でありながら作用する範囲に違いがあり、両者を直接比較した研究では、デュタステリドのほうが毛髪数などで優れた結果が報告されていることを知りました。

「同じようにAGA治療を続けるなら、より効果が期待できるほうを使ってみたい」

これが、私がフィナステリドからデュタステリドへ変更した一番大きな理由です。

ただ、調べていくと単純に「デュタステリドのほうが上位の薬」と考えるのも少し違うことが分かりました。

この記事では、私が薬を変更した理由を振り返りながら、フィナステリドとデュタステリドにはどのような違いがあるのか、医学的な情報もあわせて整理します。

もともとはフィナステリドを服用していた

私が最初にAGA治療として服用していたのはフィナステリドです。

AGAでは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛包に作用することで、髪の成長期が短くなり、太く長く成長する前に抜けやすくなる「毛包のミニチュア化」が進みます。

フィナステリドは、テストステロンからDHTを作る「5α還元酵素」を阻害することで、AGAの進行を抑える薬です。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも、男性型脱毛症に対するフィナステリド内服は推奨度Aの「行うよう強く勧める」と評価されています。

つまり、フィナステリド自体の効果が低いからデュタステリドへ変更したわけではありません。

フィナステリドにもAGA治療薬として十分なエビデンスがあります。

デュタステリドを知って「こっちのほうが効くのでは?」と思った

服用を続けるうちにAGAについて自分でも調べるようになり、フィナステリドとは別にデュタステリドという薬があることを知りました。

そこで気になったのが、両者の作用の違いです。

フィナステリドが主にII型の5α還元酵素を阻害するのに対して、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害します。

「それならデュタステリドのほうがAGAにも効くのでは?」

私が薬を変更することを考えたきっかけは、かなりシンプルにここでした。

もちろん、作用する範囲が広いからといって、それだけで治療薬として優れていると決めることはできません。

そこで実際の研究結果についても調べてみました。

実際にデュタステリドのほうが効果は高いのか

フィナステリドとデュタステリドを比較した臨床研究は複数あります。

2019年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、両者を比較した3研究、計576人の男性AGA患者のデータが解析されています。

24週間の治療では、総毛髪数の変化や頭頂部・前頭部の写真評価など複数の指標で、デュタステリドがフィナステリドより良好な結果を示しました。

また、18~40歳の男性AGA患者をデュタステリド0.5mg群とフィナステリド1mg群に分けて24週間比較したランダム化比較試験でも、毛髪数や毛髪の太さなどでデュタステリド群が優れていたと報告されています。

こうした研究結果を見ると、少なくとも「デュタステリドのほうが効果が高いという話には根拠がある」と考えることはできます。

私自身もこうした違いを知り、せっかくAGA治療を続けるのであれば、より高い効果を期待できる薬を試してみたいと思い、デュタステリドへ変更しました。

フィナステリドが効かない薬というわけではない

デュタステリドのほうが優れた結果を示した比較研究があるからといって、フィナステリドではAGA治療の効果が期待できないわけではありません。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性AGAに対してフィナステリドとデュタステリドのどちらも推奨度Aです。

フィナステリドについても、日本人男性414人を対象とした48週間のランダム化比較試験で、1mg/日を服用した人の58%に写真評価で軽度改善以上の効果が認められています。

さらに、長期服用によって改善率が高くなった日本人男性の観察研究も報告されています。

私がフィナステリドから変更したのも、「フィナステリドがダメだったから」というより、調べた結果としてデュタステリドの作用と比較試験の結果に魅力を感じたことが理由です。

AGAの状態や治療歴、副作用への考え方などは人によって異なるため、全員がデュタステリドへ変更したほうがいいという話ではありません。

効果だけでなく副作用についても考える必要がある

AGA治療薬を比較すると、どうしても「どちらが生えるのか」という部分に目が行きますが、副作用についても知っておく必要があります。

フィナステリドとデュタステリドはいずれも5α還元酵素阻害薬であり、性欲減退、勃起機能不全、射精障害などの性機能に関する副作用が報告されています。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、デュタステリドについて、性機能障害を含めた副作用を十分説明したうえで使用する必要があるとされています。

一方、「デュタステリドのほうが作用が強い=副作用も必ず多い」と単純に考えられるわけでもありません。

2019年のフィナステリドとデュタステリドを比較したメタ解析では、性欲低下、勃起不全、射精障害について両薬剤間に統計学的な有意差は認められませんでした。

別のランダム化比較試験をまとめたメタ解析では、5α還元酵素阻害薬全体として性機能障害のリスク上昇が示されているため、いずれを服用する場合でも副作用について理解しておく必要があります。

効果だけを見て自己判断で薬を変更するのではなく、医師と相談しながら選ぶことが大切です。

デュタステリドに変えれば髪が元通りになるわけではない

もう一つ、私自身が植毛まで経験したからこそ書いておきたいことがあります。

フィナステリドもデュタステリドもAGA治療に使われる有効な薬ですが、薬を変えれば自由に生え際を作り直せるわけではありません。

AGAによって細くなっている毛の状態を改善したり、薄毛の進行を抑えたりすることは期待できますが、もともと毛包が存在しない場所に新しい生え際を作る治療ではありません。

私の場合は、AGAだけでなく、もともとのおでこの広さや生え際の形についても悩みがありました。

そのため、AGA治療薬を服用しながら、最終的には自毛植毛という選択もしています。

薬によるAGA治療と植毛では目的が異なるので、自分が何を改善したいのかを分けて考えることも重要だと思います。

今振り返っても、変更した理由はかなりシンプルだった

フィナステリドからデュタステリドへ変更した理由を改めて振り返ると、「調べたらデュタステリドのほうが効果が高いという研究があったから」というのが一番正直な答えです。

当時の私は、どうせAGA治療を長く続けるのであれば、より効果を期待できる選択肢を使いたいと考えました。

調べ直してみても、デュタステリド0.5mgがフィナステリド1mgより毛髪数などで優れた結果を示した比較研究は実際にあります。

一方で、フィナステリドにも十分なエビデンスがあり、日本皮膚科学会はいずれも男性AGAに対して強く推奨しています。

そのため、「フィナステリドよりデュタステリドのほうが上だから、全員変更すべき」という結論にはなりません。

私の場合は、両者の違いを調べたうえでデュタステリドを選びました。

AGA治療は長く付き合うことになる可能性があります。今フィナステリドを服用していてデュタステリドへの変更が気になっている方も、効果の違いだけでなく、副作用や自分の薄毛の状態まで含めて医師と相談したうえで決めるのがいいと思います。

参考文献・情報源

・日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

・Zhou Z, et al. The efficacy and safety of dutasteride compared with finasteride in treating men with androgenetic alopecia: a systematic review and meta-analysis. Clinical Interventions in Aging. 2019;14:399-406.

・Shanshanwal SJS, Dhurat RS. Superiority of dutasteride over finasteride in hair regrowth and reversal of miniaturization in men with androgenetic alopecia: A randomized controlled open-label, evaluator-blinded study. Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology. 2017;83(1):47-54.

・Lee S, et al. Adverse Sexual Effects of Treatment with Finasteride or Dutasteride for Male Androgenetic Alopecia: A Systematic Review and Meta-analysis. Acta Dermato-Venereologica. 2019;99(1):12-17.

関連記事

-植毛・AGA