コラム

薄毛で一番しんどかった時期

今振り返ってみると、単純に髪が薄く見えること以上に、自分のやりたい髪型ができないことと、この先もっと薄くなっていくのではないかという不安が大きかったように思います。

私の場合、もともとおでこが広く、M字部分の生え際も気になっていました。そんな中で、ずっと憧れていたのが前髪を上げるアップバングスタイルです。

ところが、自分の生え際を考えると、なかなか挑戦する気になれませんでした。

さらに、知人から薄毛を指摘されたことで、それまで自分の中だけにあった悩みが、一気に現実味を帯びることになります。

今回は、私が薄毛に悩んでいた時期の気持ちについて書いてみようと思います。

一番やりたかったのは、前髪を上げる髪型

私が特に憧れていたのは、アップバングスタイルでした。

前髪を上げて額を出す、清潔感のある男らしい短髪スタイルです。男性の髪型としては珍しくありませんし、特別に奇抜なものでもありません。

ただ、当時の私にとっては、その何でもない髪型が簡単にはできませんでした。

もともとおでこが広かったうえに、M字部分も気になっていたため、前髪を上げると生え際が強調されてしまうように感じていたからです。

美容室で髪型を考えるときも、純粋に「この髪型にしたい」という気持ちだけで選べるわけではありません。

自分の生え際でも違和感がないか、おでこが目立ちすぎないか。そうしたことを先に考えてしまいます。

もちろん、おでこが広くてもアップバングが似合う人はいますし、実際に格好よく髪を上げている人もいます。

ただ、私自身はどうしても自分の生え際が気になり、憧れているのに挑戦できない状態でした。

髪型は本来、自分の好みで楽しめるもののはずです。それなのに、好きかどうかより先に「自分には無理だろうな」と考えてしまうことが、当時はかなりもどかしかったです。

今よりも、将来もっと薄くなることが怖かった

もう一つ大きかったのが、将来への不安です。

当時の私は、自分の生え際が気になっていただけでなく、「このままどんどん薄毛が進行していくのではないか」と考えることがありました。

今の状態が気になるのはもちろんですが、それ以上に怖かったのは、数年後の自分の姿が分からないことです。

AGA(男性型脱毛症)は、適切な治療を行わない場合、一般的に徐々に進行する性質があります。ただし、進行の速さや程度には個人差があり、現在の生え際だけを見て将来どこまで薄くなるかを正確に予測できるわけではありません。

当時の私は、そうした個人差まで冷静に考えられていたわけではありませんでした。

「今でもこんなに気になっているのに、さらに後退したらどうしよう」

そんな不安がありました。

薄毛の悩みは、現在の見た目だけで完結するとは限りません。まだ起きていない将来の変化まで想像してしまうところに、しんどさがあったのだと思います。

他人からの一言で、現実を突きつけられた

薄毛について自分で気にしていることと、他人から指摘されることは、私にとってまったく違いました。

以前、知人から「なんか薄くない?」と言われたことがあります。

それまでも自分のおでこが広いことは分かっていましたし、生え際が気になっていたのも事実です。

ただ、他人から言われたことで、「自分だけが気にしているわけではないのかもしれない」と感じてしまいました。

相手に悪気があったのかどうかは分かりません。何気なく口にした言葉だったのかもしれませんが、私にはかなり印象に残る一言でした。

自分で鏡を見て気にするのと、他人から見た印象を直接聞くのとでは、受け止め方が違います。

もちろん、その一言だけで医学的にAGAが進行していたと判断できるわけではありません。

それでも、私にとっては薄毛の悩みをより強く意識するきっかけになりました。

薄毛そのものより、自由に髪型を選べないことがつらかった

振り返ってみると、私が求めていたのは単純に髪の本数を増やすことだけではなかったのだと思います。

好きな髪型にしてみたい。前髪を上げてみたい。生え際のことを必要以上に気にせず、髪型を選んでみたい。

そうした、ごく普通の願望がありました。

薄毛やおでこの広さに対する悩みは人それぞれです。髪のボリュームを気にする人もいれば、頭頂部やつむじ、生え際の形が気になる人もいると思います。

私の場合は、特に生え際とおでこの広さが気になっていたため、髪型の選択肢が限られているように感じていました。

そして、その状態が今後さらに変わっていくかもしれないという不安が重なっていました。

実際に薄毛がどの程度進行していたのかという客観的な問題と、自分がどれほど悩んでいたのかという問題は、必ずしも一致しないのだと思います。

その後、AGA治療と植毛を選んだ

こうした悩みを抱える中で、私はAGA治療について調べるようになり、フィナステリドの服用を始めました。

さらに、生え際の形やおでこの広さそのものを変えたいという思いから、自毛植毛にも踏み切っています。

最初に植毛を受けたのは27歳のときです。

AGA治療薬は薄毛の進行を抑えるための選択肢ですが、もともと毛包が存在しない部分に自由な形で生え際を作るものではありません。

私の場合は、AGAへの対策だけでなく、生まれつきの額の広さも改善したかったため、最終的に植毛や額縮小手術を受けることになりました。

もちろん、薄毛が気になるからといって、誰もが植毛や美容整形を受ける必要はありません。

私自身も、手術を経験したからこそ感じたメリットや後悔があります。

それでも、当時の自分にとっては、ずっと気にしていた生え際を変えるために行動することに意味がありました。

今だから思う、薄毛で一番しんどかったこと

薄毛で一番しんどかった時期を振り返ると、鏡を見るたびに落ち込んでいたというより、やりたい髪型があるのに自分には似合わないと思い込んでいたこと、そして将来もっと薄くなるのではないかと不安を抱えていたことが大きかったと思います。

知人からの何気ない一言も、その不安を強めるきっかけになりました。

今は植毛や額縮小を経験し、以前とは生え際の状態も変わっています。ただ、だからといって当時の悩みが大げさだったとは思いません。

薄毛の悩みは、周囲から見れば些細なことに感じられる場合もあるかもしれませんが、本人にとっては髪型や将来のことまで関わってくる問題です。

私の場合は、アップバングという一つの髪型への憧れが、結果的に自分の生え際と向き合うきっかけにもなりました。

同じように薄毛が気になって好きな髪型を諦めている人がいたら、少なくとも私は、その気持ちがよく分かります。

そして、もし薄毛の進行が気になっているのであれば、一人で将来を想像して不安を膨らませるだけでなく、皮膚科などで現在の状態を確認することも一つの選択肢だと思います。

私が最初に植毛を決めた理由や、実際に受けて感じたことについては、別の記事でも詳しく書いています。

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