私は27歳のときに、初めて自毛植毛を受けました。
結果から言うと、植毛を受けたこと自体を後悔しているわけではありません。
術前と比べればM字部分は改善しましたし、薄毛も以前より気にならなくなりました。
それでも、
「1回目の植毛は成功だった?」
と聞かれたら、私は素直に「大成功でした」とは答えられません。
むしろ手術後~ほぼ完成とされる半年経過後には、「思っていたのと違ったな」という気持ちが正直残りました。
今回は、1回目の植毛で良かったことだけではなく、私が正直「失敗したかも」と感じた部分についても書いていきます。
これから植毛を考えている方には、こういうケースもあるという一例として読んでもらえればと思います。
まず、植毛前の状態について
私が1回目の植毛を受けたのは27歳のときです。
もともと生まれつき額が広く、そこに生え際の薄さも加わっていました。
特に気になっていたのがM字部分です。

正面から見ても気になりましたが、横から見ると額の広さがより目立ちます。
髪型によってある程度隠すことはできても、風や湿気で前髪が崩れると生え際が見えてしまいます。
そこで、自毛植毛でM字部分を埋めながら、生え際を下げることはできないかと考えました。
良かった点① M字部分は改善した
まず、1回目の植毛を受けて良かったことから書いておきます。
一番分かりやすく変化したのがM字部分です。
もちろんこれは、あくまで術前の自分と比較した感想です。
それでも、それまで毛がほとんどなかった部分に自分の毛が生えてきたことで、生え際の形は以前より整いました。
「植毛しても何も変わらなかった」というわけではありません。
良かった点② 薄毛は以前より気にならなくなった
M字部分が埋まったことで、全体として見たときの薄毛感も以前より軽減しました。
特に自分の場合は、生まれつきの額の広さにM字部分の薄さが加わっていたため、その部分が改善しただけでも印象は変わりました。
ですので、植毛という治療そのものが失敗だったとは考えていません。
移植した部分については変化を感じましたし、術前より良くなったことは間違いありません。
後悔した点① 思っていたほど額を狭くできなかった
私が1回目の植毛で最も後悔したのはここです。
植毛を受ければ、長年コンプレックスだった広い額をかなり狭くできると思っていました。
ところが実際に受けてみると、
「確かに良くなった。でも、自分が欲しかった額にはまだ遠い」という結果になりました。
M字は以前より改善しています。
生え際にも毛があります。
それでも鏡を見ると、まだ額が広い。
私が本当に求めていたのは「M字部分の薄毛を改善すること」だけではなく、額そのものを狭くして顔の印象を変えることだったのだと思います。
ここに、自分の期待と実際の仕上がりのズレがありました。
後悔した点② 自分の額の広さでは、1回の植毛に限界があった
1回目の植毛を経験して初めて実感したことがあります。
それが、植毛には限界があるということです。
自毛植毛は、どこからともなく新しい毛を作り出す治療ではありません。
基本的には後頭部などにある自分の毛包を採取して、必要な場所へ移動させます。
当然ながら、移動できる毛の数や手術時間には限りがあります。
医学文献でも、植毛では限られたドナーをより広い移植範囲に配分する必要があり、元々存在していた毛髪をそのままの密度で再現するものではないことが説明されています。
見た目として十分な密度を作るため、一般的には実際の毛髪密度より少ない密度で配置して、視覚的なボリュームを作ります。
そのため、
「もっと生え際を下げたい」
と思っても、生え際を下げれば下げるほど移植する面積が広くなり、それだけ多くの株が必要になります。
私の場合、生まれつき額がかなり広かったこともあり、1回の植毛だけで自分が理想としていた位置まで生え際を持ってくることには限界がありました。
「もっと株数を増やせばよかった」だけでは解決しない
当時の私は、
「もっとたくさん植えてもらえば良かったのでは?」とも考えました。
しかし、後から植毛について詳しく調べていくと、単純に株数を増やせばいいわけではないことも分かりました。
ドナーとして使用できる毛髪は無限ではありません。
将来的にAGAが進行した場合、別の部分への植毛が必要になる可能性もあります。
植毛に関する研究でも、生涯に利用できるドナーには限りがあるため、過度に密度の高い植毛や前方すぎる生え際を作ることについては、長期的なドナーとのバランスを考える必要があるとされています。
つまり、
「今、一番低い生え際を作れるか」
だけで考えるのではなく、
「この先も含めて、限られたドナーをどう使うか」
まで考える必要があります。
1回目の植毛を受けた当時の私は、そこまで深く考えられていませんでした。
生え際は低ければ低いほど良いわけでもない
これも、植毛を経験してから知ったことです。
額が広いことに悩んでいると、とにかく生え際を下げたくなります。
私自身もそうでした。
しかし、植毛では将来的な薄毛の進行や年齢も考慮して、生え際を設計する必要があります。
過去の植毛結果を修正する治療についてまとめた医学論文でも、若い時期に生え際を低く作りすぎることや、将来的な脱毛の進行を考慮しないことが、不満足な結果につながる原因として挙げられています。
そのため、
「希望する位置まで生え際を下げられない=クリニックの技術不足」
とは限りません。
むしろ長期的なことまで考えて、あえて下げすぎないという判断もあります。
ここは、1回目の植毛を受ける前にもっと理解しておきたかったところです。
私の場合は「失敗」というより「期待とのズレ」だった
ここまで振り返ると、私の1回目の植毛は、医学的な意味での「失敗」とは違うと思っています。
毛が全く生えなかったわけではありません。
不自然な生え際になったわけでもありません。
M字部分は以前より改善しました。
それでも自分の中では、
「100万円近くかけて植毛したのに、まだ額が広い」
という気持ちが残りました。
だから、当時の私は「失敗したのかもしれない」と感じていました。
今振り返ると、植毛でできることと、自分が求めていた結果にズレがあったという表現が一番近いと思います。
1回目の植毛で「植毛の限界」を知った
一方で、1回目の経験が無駄だったとは思っていません。
むしろ、この経験によって、
- 植毛でできること
- 植毛だけでは難しいこと
- ドナーには限りがあること
- 生え際を下げるほど多くの株が必要になること
- 額の広さと薄毛は同じ問題ではないこと
を知ることができました。
特に私の場合、
「薄毛を改善したい」のか
それとも、
「額そのものを狭くしたい」のか
という違いは非常に大きかったです。
ここを最初から理解できていれば、1回目の手術に対する期待値も変わっていたと思います。
植毛前のカウンセリングで伝えておけばよかったこと
今の自分が1回目の植毛前に戻れるなら、カウンセリングでは単に、
「生え際を下げたいです」
とは伝えません。
もっと具体的に、
「自分が希望する位置まで下げるには何株必要ですか?」
「1回の植毛で現実的にどこまで下げられますか?」
「希望する位置まで下げた場合、密度はどの程度になりますか?」
「将来のためにドナーをどのくらい残しておく必要がありますか?」
と確認します。
そして、実際に希望する生え際を書いてもらったうえで、
「この仕上がりなら自分は満足できるのか」
を考えてから手術を決めると思います。
植毛は決して安い手術ではありません。
だからこそ、「とりあえず植えれば今より良くなる」という考えだけで受けるのではなく、最終的に何を改善したいのかを明確にしておくことが大切だと感じています。
実際にどのくらい変わったのか
この記事では、1回目の植毛を受けて感じたことを中心に書きました。
ただ、
「結局、どのくらいM字が改善したの?」
「100万円近くかけて、どのくらい生え際が変わったの?」
というところは、文章だけではなかなか伝わりません。
植毛前から手術直後、その後の発毛、最終的な仕上がりまでの具体的な経過写真については、別途noteにまとめています。
良くなった部分だけを切り取るのではなく、
- 植毛前の状態
- 手術直後
- 術後の経過
- 実際に発毛していく様子
- 8か月後の状態
- 1回目を終えた時点で感じた不満
まで分かるようにしています。
私と同じように、もともとの額が広く「植毛でどこまで狭くできるのだろう」と悩んでいる方には、一つの実例として参考にしてもらえればと思います。
まとめ
1回目の植毛を振り返ると、結果は単純に「成功」「失敗」のどちらかで表せるものではありません。
M字部分は改善しましたし、薄毛も以前より気にならなくなりました。
この点については、植毛を受けて良かったと思っています。
一方で、自分が本当に望んでいた「広い額を大きく狭くする」というところまでは届きませんでした。
だからこそ当時は、「植毛したのに、思っていたほど変わらなかった」という後悔が残りました。
ただ、今振り返れば、それは植毛そのものの失敗というより、植毛でできることの限界と、自分の期待とのズレが大きく、
これから植毛を検討する方には、症例写真を見るだけではなく、「自分は何が変われば満足なのか」を一度考えてみてほしいです。
薄毛を改善したいのか。
M字を埋めたいのか。
それとも、額そのものを狭くしたいのか。
似ているようで、私にとってはまったく違う問題でした。
1回目の植毛を経験して、それに気づけたことは、その後の治療を考えるうえで大きな意味があったと思っています。
その後、私は美容整形、2回目の植毛と時間とお金をかけて、理想のヘアラインを手に入れることができました。